彼の凄みは、お笑いだけに留まらない。テレビドラマ界において、彼は欠かせない重厚なバイプレイヤーとして異彩を放ち続けた。その真骨頂が発揮された代表作が、TBSテレビ制作のメガヒットドラマ『3年B組金八先生』と『半沢直樹』である。
『3年B組金八先生』第1シリーズで演じた英語教師・左右田一平役では、威厳とユーモアが同居する独特の教師像を提示。生徒たちと真摯に向き合う姿は視聴者の深い共感を呼び、作品の世界観を強固に支えた。
そして2013年、空前の視聴率を叩き出した『半沢直樹』での演技は、今なお語り継がれる伝説となっている。主人公・半沢直樹の敵役となる老獪な企業トップ、白水銀行の元頭取・羽邑役で見せた凄みと眼力。重厚なセリフ回し一つで画面の空気を一変させる圧倒的な威圧感は、若い世代の視聴者にも強烈な恐怖と感銘を与えた。一瞬の登場でありながら作品全体の質を劇的に底上げした怪演は、彼の役者人生の集大成とも言えるものだった。