大原麗子の人生を大きく狂わせた最大の要因は、1975年に発症した難病「ギラン・バレー症候群」であった。運動神経が侵され、全身の手足に麻痺や激痛が走るこの病により、彼女は絶頂期に活動休止を余儀なくされる。手足の筋力低下や感覚障害は日常生活すら困難にし、一時は歩行も危ぶまれるほどの重症であった。
懸命なリハビリによって一度は復帰を果たしたものの、1999年に病気が再発。さらに晩年は整形手術の後遺症や転倒による骨折、抑うつ状態にも悩まされることとなった。痛みを和らげるための服薬と、思うように動かない体への苛立ちが彼女の心身を徐々に削りとっていった。身体的な苦痛と精神的な焦燥感が重なり、かつての名女優を病魔の淵へと追い詰めていったのである。