国家間の公式な外交ルートが機能しにくい崩壊国家において、民間の機動力を活かした「ビジネスによる支援」は極めて有効に作用した。長年の内戦で荒廃したソマリア民主共和国に対し、政府高官や現地部族の首長と直接対話を行い、信頼関係を築き上げたプロセスは、まさに異例の民間外交と言える。
支援活動はマグロの買い取りにとどまらず、船員の安全確保や流通インフラの整備指導にまで及んだ。喜代村が示したアプローチは、単なる一時的な人道支援ではなく、持続可能なビジネスモデルとしての経済自立である。支援される側と買い取る側が対等なパートナーシップを結ぶことで、現地の自立心を呼び起こすことに成功したのだ。