静岡市内には数多くのおでん店が軒を連ねていますが、その中でも静岡おでん 海ぼうず 本店をはじめとするグループ店舗の存在感は際立っています。最大の転機となったのは、全国各地からご当地おでんが集う祭典「静岡おでんフェスタ」での優勝です。地元住民の舌を唸らせてきた伝統の味が、名実ともに全国区の評価を獲得した瞬間でした。
海ぼうずが提供する黒おでんの最大の特徴は、大鍋の中で黒光りする秘伝のスープです。牛すじ肉と濃口醤油をベースに、何十年にもわたり具材の旨味が溶け込み続けた出汁は、見た目の濃さに反して塩分が尖っておらず、驚くほどまろやかな深みを感じさせます。仕込みの段階から長時間煮込まれた具材には、芯まで真っ黒に出汁が染み渡っています。
特に外せない名物が、静岡名産の黒はんぺんです。イワシやアジなどの青魚を骨ごとすり身にして作られる黒はんぺんは、カルシウムやDHAが豊富で独特の弾力と野性味ある旨味が魅力。熱々の黒はんぺんに、特製の青のり入り「だし粉(イワシやサバの削り粉)」をたっぷりとふりかけて頬張れば、魚の芳醇な風味と出汁のコクが口いっぱいに広がります。この一口こそが、多くのリピーターを虜にしてやまない決定的な理由です。