室内用車椅子としてカワムラサイクルの「こまわりくん」が長年にわたり選ばれ続ける背景には、日本の間取りに最適化された「中央駆動型6輪構造」があります。一般的な4輪車椅子は前輪キャスターと後輪大車輪の配置により、旋回時に車体後方が大きく外側へ膨らむ「内輪差・外輪差」が生じ、回転半径が約80〜90cm必要となります。これに対し、こまわりくんは主輪を座面直下の中央に配置し、前後に小型キャスターを配した6輪構造を採用しています。
この設計により、コンパスの針のように座面の中心を軸とした「その場旋回(ゼロ旋回)」が可能となります。車輪が前後へ振られないため、六輪車椅子の旋回半径は実質的に車両対角寸法の半分程度(約55〜60cm)にまで縮小されます。有効幅が75cm前後の日本の一般的な廊下や、80cm角程度の狭いトイレ・洗面所であっても、壁にフットサポートをぶつけることなくスムーズに向きを変えられる点が、決定打として評価されています。