カー用品店などで手に入るケミカル剤のベルト鳴き止めスプレー効果について、正しく理解しておく必要があります。スプレーを吹き付けるとゴム表面の摩擦力が高まり、確かに一時的にキュルキュル音は収まります。
しかし、これは摩擦力を一時的に変化させただけの対症療法に過ぎません。効果の持続期間は数日から数週間程度であり、根本的な伸びや張力不足が解消されたわけではない点に注意が必要です。多用しすぎるとゴムの油分が抜け落ちて劣化を早めたり、プーリーの溝に削れカスが蓄積してかえって滑りやすくなるケースもあります。異音の発生源を特定するための診断用ツールとして捉えるのが賢明です。
ゴム製品である以上、どれほど張り調整を行っても寿命は訪れます。一般的なVベルト交換時期目安は、使用開始から3〜5年、または走行距離3万〜5万kmです。また、ベルトの内側リブ部分に細かなひび割れ(クラック)が無数に発生している場合や、ゴムの柔軟性が失われてカチカチに硬化している場合、リブの山が削れて底付きしている場合は、調整ではなく新品ベルトへの即時交換を選択してください。