既婚者専用マッチングアプリを舞台にした事件の中で、最も古典的でありながら現在も深刻な被害を出し続けているのが既婚者マッチングアプリ美人局の手口です。独身向けアプリとは異なり、被害者が「不貞行為の発覚を何としても防ぎたい」という絶対的な弱みを抱えているため、要求される被害額が跳ね上がりやすい特徴を持っています。
典型的な手口は、メッセージのやり取りで急速に親密さを演出し、初回または2回目の面会で個室空間(シティホテルやワンルームマンション)へと誘導するパターンです。被害者が警戒を解いて身体的接触を持った瞬間、あるいは直前のタイミングで「相手の夫」を名乗る人物や共犯者が部屋に押し入ります。取材に応じた刑事事件専門の弁護士によると、突入時には「俺の妻に何をしているのか」「家庭を壊す気か」「職場や親兄弟にこの証拠をばらまく」といった怒号とともに、スマートフォンで顔写真や身分証を執拗に撮影されるケースが大半を占めます。
そこから発展する既婚者マッチングアプリ脅迫被害の経緯は極めて計画的です。加害者グループはその場での示談金名目として現金数百万円の即日支払いを強要し、持ち合わせがない場合はコンビニのATMへ同行させて限度額まで引き出させます。さらに、残額について公正証書や借用書への署名を迫るなど、法的な知識を悪用して逃げ道を塞ぐ手法が常態化しています。
ネット上の掲示板や告発スレッドに寄せられた既婚者マッチング被害体験談詳細を分析すると、共通して見られるのは「相手女性の妙に積極的な態度に対する違和感を無視してしまった」という後悔の言葉です。ある40代男性の手記には、次のような生々しい告白が綴られています。
「会ってすぐに『静かな場所でゆっくり話したい』と女性側からホテル街の指定されたホテルを指定された。不自然なほどスムーズに入室できたことに浮かれていたが、シャワーを浴びて出た瞬間、見知らぬ大男2人がドアを開けて入ってきた。会社の社員証と運転免許証を取り上げられ、『ネットに晒されたくなければ明日までに200万円用意しろ』と脅された。警察に行けば妻にすべて知られるという恐怖で、手が震えて思考が完全に停止した」
このように、加害者側は被害者の社会的地位や家庭環境を人質に取ることで、警察沙汰になるリスクを最小化しながら計画的に犯行を重ねています。