個人の体験談が注目を集める一方で、公的機関や医学界も体制の刷新を急いでいる。世界保健機関(WHO)の報告によれば、双極性障害は世界で最も生活に支障をきたす疾患の一つに挙げられており、診断が確定するまでに平均して数年から10年近くを要することが世界的な課題だ。
日本国内においても、厚生労働省がメンタルヘルス対策の拡充を進めており、日本うつ病学会は双極性障害の治療ガイドラインを定期的にアップデートしている。うつ病と誤認されて抗うつ薬のみが処方され、躁状態が誘発される「躁転」のリスクを減らすため、精神医学・ヘルスケア産業の連携による迅速なスクリーニング技術の開発が進む。有名人たちの公表は、受診のハードルを下げ、早期の確定診断を後押しする最大の触媒となっている。