なぜ、これほどまでに暗く退廃的な楽曲が、日本中のリスナーを狂喜させたのか。『花葬』というタイトルが示すのは、単なる死の描写ではない。ヴォーカルのhydeが紡ぎ出した言葉の数々は、生の終焉に漂う美しさと、肉体が自然へと還っていく官能的なまでの静けさを浮き彫りにしている。
言葉の端々に散りばめられた狂気。そこに隠された真実とは、人間が不可避的に抱える孤独と、死を迎える瞬間にのみ訪れる究極の解放感だ。「バラバラに散らばる花びら」といった凄絶なイメージは、残酷でありながら目を見張るほど美しく、聴く者の情動を揺さぶる。hydeが提示したこの禁断の美学は、それまでの邦楽シーンに存在した「悲しい失恋ソング」や「命の尊さを歌うバラード」とは一線を画す、極めて文学的な到達点であった。