原作漫画のストーリーに完全準拠した2009年版『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』でバトンを受け取ったのが、三木眞一郎氏である。キャスト発表当初は前作のイメージが強かったこともあり一部で議論も呼んだが、第1話の放送が始まった瞬間、懸念は一瞬で熱狂へと変わった。三木氏が演じるマスタングは、よりシャープで、若き野望に燃える青年のギラつきと鋭利な覚悟を帯びていた。
三木氏の演技の真骨頂は、復讐心に燃え上がる感情の爆発にある。エンヴィーとの死闘で見せた、怒りと憎悪に支配された叫びは、聴く者の鳥肌を立たせるほどの鬼迫に満ちていた。大川氏が「大人の深遠さ」を象徴していたとすれば、三木氏は「生き様としての焔」を体現したと言えるだろう。