久坂部ミステリーの真骨頂として燦然と輝くのが、フジテレビ系で連続ドラマ化された『無痛〜診える眼〜』だ。天才的な観察眼によって外見だけで病気の兆候や犯罪企図を見抜く医師・為頼英介。この複雑な内面を抱える主人公を、実力派俳優の西島秀俊が見事に演じ切った。
西島秀俊が体現した抑制された苦悩と鋭利な眼差しは、原作が持つストイックな世界観と完璧に共鳴した。精神医学、遺伝、不可避の衝動といった人間の暗部を解剖学的に描き出す展開は、従来の医療モノのフォーマットを軽々と凌駕。重厚な社会派ミステリーとしての完成度を世に知らしめる決定打となった。