新世代が台頭する一方で、かつて女子囲碁界のタイトルを独占し、空前絶後の黄金時代を築いた謝依旻の存在感を忘れることはできない。通算タイトル獲得数で歴代トップを走る彼女の足跡は、現代の女流プロ棋士が歩むべきプロフェッショナリズムの礎となった。
近年、謝依旻は自身の代名詞であった獰猛な攻めをベースに、AIの感覚を取り入れた柔軟な打ち回しへと棋風を再構築している。若手の圧倒的な手数とスピードに対し、百戦錬磨の経験値と心理戦で対抗するその姿は、後進にとって巨大な壁であり続けている。タイトル戦の挑戦者決定戦などで見せるベテランの勝負強さは、世代交代を一筋縄ではいかせない重厚なドラマを盤上に生み出している。