事件の表層をなぞるだけの日々刻々のニュース報道から離れ、時間をかけて綿密な裏付けを行う調査報道ジャーナリズムの役割は重い。活字媒体における優れたノンフィクションや、新潟事件真相究明ドキュメンタリーといった長編取材企画は、加害者の生い立ちや地域コミュニティの変容を立体的に描き出すことに成功している。
事実の断片を愚直に積み上げ、多角的な視点から社会の構造的欠陥を照射する試みこそが、再発防止への唯一の道筋となる。センセーショナルな見出しの裏に埋もれがちな本質的な教訓をすくい上げること。それこそが、ジャーナリズムに課された本来の責務にほかならない。