二人の歩みは、まるで長編の人物評伝・政治ドキュメンタリーを見ているかのように波乱に満ちている。出会いは2003年の衆議院議員総選挙で高市氏が落選した直後。憔悴していた彼女に電話をかけ、励まし続けたのが当時すでに政策通として知られていた山本拓氏だった。翌2004年に結婚した二人は「政策重視の同志婚」として話題を呼んだ。
しかし、政界の激流は容赦なく二人の生活を侵食していく。所属派閥の違いや政策スタンスの微妙なズレ、さらには互いに選挙を戦う多忙さからすれ違いが生じ、2017年に協議離婚を発表。「政見の違い」を理由に挙げたこの別離は、多くの有権者を驚かせた。
だが、物語はそこで終わらなかった。2021年の自民党総裁選挙で高市氏が推薦人集めに苦心していた際、誰よりも早く水面下で奔走し、票集めを支えたのが元夫の山本氏だったのだ。激戦を終えた同年暮れ、二人は再婚を発表する。戸籍上の氏を「高市」に改めた山本氏の決断は、従来の政治家夫婦の固定観念を覆す出来事となった。