日本のペット産業において、長年不動のツートップに君臨してきたのがトイ・プードルとチワワだ。だがここ数年、飼育頭数の勢力図は劇的な変貌を遂げている。人気専門誌『いぬのきもち』の飼養動向調査でも、ミックス犬は単独犬種を脅かす上位の常連となった。購入層を惹きつける最大の要因は「世界に一頭だけ」という希少性と、両親の良いとこ取りをしたとされる外見の可愛らしさにある。
「抜け毛が少なく賢いトイ・プードル」と「小型で甘え上手なマルチーズ」を合わせれば、理想の家庭犬が生まれるのではないか。そんな買い手の願望と、差別化を図りたい繁殖ビジネス側の思惑が一致した結果、デザインドッグと呼ばれる市場は一気に拡大した。だが、遺伝の法則は決して人間の都合通りには働かない。