壇ノ浦の戦いは、単なる武家同士の政権争いにとどまらない。それは、天皇の正統性を示す「八咫鏡」「八尺瓊勾玉」「草薙剣」という三種の神器の運命を永遠に変えてしまった合戦だった。平氏一門は追い詰められた末、平時子(二位の尼)が幼い安徳天皇を抱き、「海の下にも都がございます」と告げて関門海峡の荒波へと身を投げた。
この入水とともに、皇室の象徴である神器も海中に投じられた。鏡と勾玉はのちに回収されたとされるが、宝剣である草薙剣だけは深海へと消え去った。王朝の権能が武家へと移り変わる過渡期に起きたこの悲劇は、日本の歴史における決定的な転換点となったのだ。