冷たい夜風が吹く4月の週末。都心の喧騒から少し離れた路地裏に、その店はあった。看板もなく、知る人ぞ知る名店。そこに現れたのは、黒いキャップを深めに被り、シックなロングコートに身を包んだ彼女だった。周囲を気にする様子を見せつつも、隣を歩く男性と視線が合うたびに、柔らかな笑みをこぼす。その自然体な様子は、テレビ画面で見せる凛とした表情とは全く異なる、一人の女性としての素顔だった。
カウンター席で肩を寄せ合い、ワイングラスを傾ける二人。時折、男性が彼女の髪に優しく触れる仕草も見られ、親密な関係であることは疑いようもなかった。店を後にした二人は、一台のタクシーに乗り込み、夜の街へと消えていった。