舞台袖に引っ込み、濃いチークと独特のアイラインを拭い去った瞬間、そこに現れるのは誰もが知る「すち子」ではない。引き締まった顔立ちに落ち着いた眼差しをたたえた、一人の端正な大人の男性だ。SNSや舞台裏のオフショットで時折公開されるメイクオフ写真を見るたび、ネット上では「驚くほど男前」「舞台とのギャップがありすぎる」と感嘆の声が上がる。
あの強烈なキャラクターの皮膚を一枚剥ぐと、現れるのは徹底したリアリストの顔だ。派手なパフォーマンスの裏で、客席のわずかな空気の揺らぎや笑いの波を冷静に見極める鋭利な視線。すち子という強烈な仮面を被るからこそ、素顔の彼はどこまでも静かで、職人的な佇まいを崩さない。