資材選定と施工プロセスにおいて、多くの人が勘違いしやすい代表的な盲点を整理します。
誤解①:「セメントは天日干しで乾かすほど強くなる」
これは最も危険な誤解です。セメントの硬化は水分が蒸発する「乾燥」ではなく、水分子とセメント粒子が結合する「水和反応」によるものです。直射日光や強風で水分が急激に奪われると、未反応のセメントが残り、強度が著しく低下する「ドライアウト現象」が発生します。打設後は散水養生やシート養生を行い、一定の湿潤環境を保ちながら初期硬化(24〜48時間)および標準養生期間(28日)を経過させることが本来の鉄則です。
誤解②:「タイルの目地材は普通のモルタルで代用できる」
モルタルに含まれる砂の粒度は通常1mm〜2.5mm程度あり、幅数ミリのタイル目地隙間には充填しきれません。隙間なく充填するには、超微粒子の硅砂と樹脂成分をあらかじめ調合した専用の「タイル目地材」を使用する必要があります。普通のモルタルを目地材の代用として流し込むと、水漏れやタイルの浮き上がりを招きます。