ピントが合わなくなる現象において、最も重要な識別基準は「休息で改善するかどうか」と「進行のスピード」です。日常的な眼精疲労と目のかすみの違いを理解しないまま放置すると、不可逆的な視力低下を招く恐れがあります。
眼精疲労は、睡眠や目を温めるなどのケアによって翌朝には回復する一過性の毛様体筋疲労を指します。一方、休息をとっても視界のクリアさが戻らない場合や、かすみに加えて頭痛・吐き気、視野の一部が暗くなる現象を伴う場合は、眼球や脳の器質的障害を疑う必要があります。
特に急に目がぼやける危険な病気として警戒すべきなのが、網膜中心動脈閉塞症や急性緑内障発作、そして脳梗塞の前兆として現れる「一過性黒内障」です。一過性黒内障では、首の頸動脈から飛んだ小さな血栓が眼動脈を一過性に塞ぐことで、カーテンが降りてきたように片目の視界が真っ暗になり、数分から数十分で元に戻るという特異な経過をたどります。「一時的に治ったから大丈夫」と過信せず、直ちに神経内科や脳神経外科を併設する医療機関へ駆け込む必要があります。