フジテレビ系で1993年に放送された名作ドラマ『一つ屋根の下』。その物語の後半、日本中の茶の間に激震が走るエピソードが描かれた。酒井法子が演じた柏木家の次女・柏木小梅が直面したレイプ被害という悪夢のような事件である。
当時の民放ドラマとしては極めてセンセーショナルで重厚なテーマであった。暴行を受けたショックから心を閉ざし、深く傷ついた小梅。家族の前でも感情を失い、自暴自棄になっていく姿は、観る者の涙を誘った。しかし、ただのショッキングな展開にとどまらないのが本作の凄みだ。主人公の達也が絶望の淵に立たされた妹の手を握り締め、「そこに愛はあるのかい?」と泥臭く問いかけ続ける救済劇は、今なお視聴者の心に強く残っている。