神社の役職序列は極めて明確だ。頂点に立つのが神社の代表役員であり責任者である「宮司」、その補佐役として実務全般を統括する副代表格の「禰宜」、そして禰宜を助けて直接現場の諸事を動かすのが「権禰宜」である。頭につく「権(ごん)」の字は「副」や「仮」を意味し、律令制以来の官職名に由来する。小規模な神社であれば宮司が一人で全てをこなす例も珍しくないが、一定規模以上の神社組織では権禰宜の存在が現場の生命線となる。
役割の分担は明確だ。宮司が法人の経営判断や重儀の斎主を務め、禰宜が社務所の総括や対外折衝に奔走する一方、日々の祈祷の奉仕や境内管理、祭具の調度などを汗を流して担うのは権禰宜の役割である。まさに神社の現場責任者であり、参拝者が窓口で出会う神職の大半はこの権禰宜にあたる。