このムーブメントの火付け役を辿ると、ポップカルチャーとビジュアル表現の進化に行き着く。社会現象となった『鬼滅の刃』に登場するキャラクターたちの佇まいや、不朽の名作少女漫画『はいからさんが通る』に見られる華麗な袴姿は、若い世代に「大正ロマン」という時代の持つ劇的な美しさを強烈に印象づけた。
さらに、画家・竹久夢二が描いた憂いを帯びた美人画の抒情的な空気感も、いま再び新鮮なものとして受け止められている。西洋のモダニズムが一気に流入し、女性たちが自立と自由を謳歌し始めた大正期。その時代精神が宿るレトロモダンの世界観は、既成概念にとらわれず自分らしさを追求したい現代人の感性と見事に共鳴している。