デスクワークの長時間化とスマートフォンの普及によって、首の自然な前弯(C字カーブ)が消失する現象は深刻度を増している。厚生労働省の国民生活基礎調査を紐解くまでもなく、肩こりや首の不快感を訴える労働者の数は高止まりを続けており、もはや国民病と呼ぶにふさわしい。
渇望する人々が飛びつく先は、手元の画面だ。YouTube上には「タオル1本で首の骨が本来の位置に戻る」「寝るだけでストレートネック劇的改善」といった煽り文句の動画が溢れ返り、数百万回単位で再生されている。かつてNHKオンデマンドで配信された『ためしてガッテン』や『あさイチ 首こり解消プロジェクト』などの特集が火をつけた首こりへの危機感は、いつしか手軽なショート動画のアルゴリズムに飲み込まれ、極端に簡略化されたセルフケア情報へと変質してしまった。