名古屋市内を走る基幹バスの最大の特徴は、道路の中央寄り車線に専用レーンが敷設され、電車の停留場のように中央分離帯上にバス停(安全地帯)が設置されている点にあります。名古屋市交通局および関係省庁の記録によると、この「基幹バス新出来町線(基幹2号系統)」が開業したのは1985年(昭和60年)4月のことでした。
当時、名古屋市東部から中心部(栄・名駅)へ向かう幹線道路は激しい渋滞に見舞われていました。地下鉄の建設には莫大な費用と年月がかかる一方、通常の路線バスは路肩の違法駐車や店舗への出入り車両、左折巻き込み待ちの車に阻まれ、表定速度が著しく低下していたのです。そこで考案されたのが、「障害物が最も少ない道路中央部にバス専用空間を確保する」という逆転の発想でした。
中央走行方式の導入により、ピーク時におけるバスの所要時間は大幅に短縮され、運行の定時性は劇的に改善しました。現在でいうBRT(Bus Rapid Transit:バス高速輸送システム)の草分けとして、国内外の都市計画担当者から視察が相次いだ先進的インフラです。