武蔵野東学園における一連のトラブルで最も困難な状況に置かれたのは、現場で学ぶ子どもたちと日々寄り添う保護者、そして直接指導にあたる教職員でした。
当時の保護者コミュニティや教育相談の場では、「子どもが安心して通える環境が脅かされている」「長年培われた自閉症児への個別支援メソッドが失われてしまうのではないか」といった切実な悲鳴が上がっていました。武蔵野東学園を選択する家庭の多くは、公立校の特別支援学級や通級指導では得られない手厚いインクルーシブ環境を求め、強い覚悟を持って入学を決意しています。それだけに、経営側の独断によるカリキュラム変更への不信感は極めて深刻なものでした。
一方で、現場の教職員たちも「学園の理念を守るべきか、理事会の命令に従うべきか」という激しい葛藤に直面していました。現場からの反発の声が保護者組織と連携し、結果として組織改革を後押しする大きな原動力となった点は、武蔵野東学園が持つ教育的価値の高さと、ステークホルダーからの根強い信頼を証明する事例といえます。