作中で言葉を発さず、表情と佇まいだけで30年の歳月を表現しきった俳優陣の熱演も見逃せません。「あの父親役は誰なのか?」「美しい娘役の女優は今どうしているのか?」という疑問は、公開当時から現在に至るまで検索され続けています。
大人の娘役を演じたのは、映画や舞台、CMで高い評価を受ける実力派女優の岡野真也(おかの まや)です。透明感あふれる佇まいと、反抗期の刺々しさから母親になった際の慈愛に満ちた表情までを繊細に演じ分け、観る者の涙を誘いました。岡野真也はその後も舞台やドラマで着実にキャリアを重ね、映画『下忍 青い影』やテレビドラマ、ナレーションなど幅広いジャンルでその唯一無二の表現力を発揮し続けています。
一方、20代の若き新米ファーザーから孫を持つ初老の父親まで、約30年分の加齢を圧巻のリアリティで演じきったのは俳優の大平健介です。別々の俳優をキャスティングしたと見紛うほどの変貌ぶりですが、実は特殊メイクと巧みなヘアスタイリング、そして年齢ごとの姿勢や重心の変化を大平健介が一人で見事に演じ分けています。また、娘の成長過程(乳幼児期、幼児期、小学生期、中高生期)を演じた子役キャストたちの自然な仕草も、リアリティを極限まで高める重要なピースとなりました。