東出昌大という表現者の原点を振り返る上で欠かせないのが、トップモデルとしての華々しい実績です。埼玉県出身の彼は、高校在学中であった2004年に第19回『MEN'S NON-NO』専属モデルオーディションでグランプリを獲得し、本格的にファッション界へ足を踏み入れました。
公称189cmという圧倒的な高身長と日本人離れした手足の長さ、どこか憂いを帯びた彫りの深い端正な顔立ちは、当時のファッションシーンで唯一無二の存在感を放ちました。2006年から2011年にかけては専属モデルとして第一線で活躍し、同誌の表紙や巻頭特集を幾度となく飾っています。さらに活動の場は国内にとどまらず、世界最高峰の舞台であるパリ・コレクションにも進出。「ZUCCa」や「Yohji Yamamoto」などの名だたるメゾンブランドのショーに出演し、世界基準のモデルとしてその名を刻みました。
当時の関係者やスタイリストの証言によると、ランウェイ上での前衛的なコレクションピースを着こなす一方で、東出昌大本人の私服はすでに確固たるこだわりを持っていたといいます。高校時代から東京・原宿や下北沢の古着店に足繁く通い、ミリタリージャケットや使い込まれたレザーシューズ、経年変化を楽しめるデニムなど、「誰かが大切に着古した背景のある服」を好んで選んでいました。華美なハイファッションの最前線を熟知しながらも、身銭を切って手に入れる私服においては、一貫して「生地のタフさ」や「職人の息遣い」に惹かれていたのが彼の本質でした。