なぜ、中学生は突如として日常から姿を消してしまうのか。警察庁が公表している少年少女の家出・失踪動機に関する統計データと、思春期臨床心理士の現場分析から、その構造的な理由が明らかになっています。
失踪動機の上位に挙がるのは、表面的には「親子喧嘩」「進路・学業不振への叱責」「スマートフォン利用をめぐる制限」といった家庭内のトラブルです。しかし、児童自立支援施設の専門相談員は「表面的なきっかけの裏には、家庭内に心理的安全性がなく、逃げ場を失った子どもたちの絶望的なSOSが隠れている」と指摘します。
さらに近年、決定的な要因となっているのがSNSを通じた「デジタル逃避」と見知らぬ大人による連れ去りです。「家出したい」「泊めてくれる人募集」といったハッシュタグを投稿した中学生に対し、親切を装った大人が宿泊場所や食事を提供すると持ちかける手口が後を絶ちません。子ども側は「自発的な避難」のつもりであっても、法的には明確な未成年者誘拐罪に該当するリスクを孕んでいます。