当時のネットコミュニティや大衆の受け止め方は、決して一枚岩ではありませんでした。事件発生から年月が経ち、山本氏が国政に進出して「れいわ新選組」を旗揚げして以降の反応の推移を検証すると、評価の分断が見て取れます。
発生当時の大手掲示板(5ちゃんねる等)やSNSでは、「脱原発派のモラルはこの程度か」「姉が薬物に手を染めているのに社会改革を語る資格があるのか」といった、痛烈な批判や揶揄が渦巻きました。特に反原発の思想と違法薬物が短絡的に結びつけられ、運動全体の信用失墜を狙う言説が急増したのも事実です。
一方で、知恵袋や大手ポータルサイトのコメント欄では、冷静な受け止め方も根強く存在していました。「成人して家庭も住まいも別の姉が犯した罪を、弟に責任転嫁するのは前近代的な連座制である」「本人が毅然と姉を批判している以上、太郎氏を責めるのは筋違いだ」という個人責任論を支持する声も多数を占めました。
その後、山本氏は2012年末の衆院選落選を経て、2013年参院選で初当選を果たします。さらに2019年にれいわ新選組を結党し、国政政党へと育て上げました。対立陣営や一部のネットユーザーは、選挙のたびに「姉が大麻で逮捕された過去」をネガティブキャンペーンとして掘り起こす動きを見せましたが、党の支持基盤が揺らぐような決定的ダメージには至りませんでした。これは、事件当初に山本氏自身が一切の言い訳を排除し、司法の判断に委ねる姿勢を徹底していたことが奏功したと言えます。