「この薬をいつまで飲み続けなければならないのか」「飲み続けることで依存性や耐性がつくのではないか」という不安は、当事者や保護者から最も多く寄せられる疑問のひとつです。
起立性調節障害における昇圧薬には、抗不安薬のような強い身体的依存性はありません。しかし、自己判断による突然の断薬は厳禁です。急激に服薬を中止すると、維持されていた末梢血管抵抗が急低下し、重い立ちくらみや失神発作を再発させる恐れがあります。
薬のやめ時(減薬・中止)を判断する基準は以下のステップに従います。
- 日常生活動作の安定:午前中の倦怠感が軽減し、自力で無理なく起床・起立できる日が週の大半を占めるようになる。
- 季節変動の考慮:自律神経が乱れやすい季節の変わり目(春先・秋口)や血管が拡張しやすい猛暑期を避け、気候が安定している時期に減薬を開始する。
- 段階的テーパリング:主治医の指示のもと、1日の服用回数や用量を数週間〜数か月かけて段階的に減らし、症状のぶり返しがないかモニタリングする。
起立性調節障害は思春期の急激な身体成長に自律神経の発達が追いつかない「発達途上のアンバランス」が一因であるため、高校卒業前後や20歳前後の自律神経完成とともに、全体の約70〜80%は自然軽快に向かいます。「一生飲み続ける薬ではない」という長期的見通しを持つことが精神的安定につながります。