金閣寺が建てられた時代に花開いたのが、華麗で力強い北山文化です。伝統的な貴族文化と新興の武家文化、そして明との貿易によってもたらされた大陸文化が高度に融合したこの文化圏において、金閣寺はその象徴として君臨しました。
金閣寺の歴史を簡単に振り返ると、義満の没後、遺言に従って北山第は禅寺へと改められ、鹿苑寺として再スタートを切ります。室町時代中期に京都を焦土と化した「応仁の乱」では多くの建造物が灰燼に帰しましたが、奇跡的にも舎利殿(金閣)だけは戦火を生き延びました。
しかし、近現代に入って悲劇が訪れます。1950年(昭和25年)、寺の学僧による放火によって、国宝であった舎利殿は全焼してしまいました。この衝撃的な事件は三島由紀夫の小説『金閣寺』の題材としても知られています。現在の金閣寺は、残されていた詳細な図面をもとに1955年に忠実に再建され、さらに1987年の「昭和の大改修」によって、創建当時の厚みを誇る金箔が全面に貼り直されて蘇った姿です。