現在、赤坂サカスを象徴する最大のエンジンとなっているのが、TBS赤坂ACTシアター ハリーポッターのロングラン上演です。2022年の開幕以来、専用劇場として徹底的な大規模改修が施された同シアターは、総座席数約1,300席の規模を誇り、アジア圏で唯一の常設上演拠点として驚異的な動員記録を更新し続けています。
劇場の改修にとどまらず、赤坂サカス周辺のランドスケープ全体が世界観と連動している点が大きな特徴です。地下鉄赤坂駅から直結する大階段には動く肖像画を思わせる装飾が施され、タイムターナー(逆転時計)の巨大モニュメントが広場に鎮座。隣接するオフィシャルショップ「ハリー・ポッター マホウドコロ」やテーマカフェには予約客が列を作り、エリア全体がひとつの巨大な劇場空間として機能しています。
一方で、カルチャーファンにとって記憶に新しいのが赤坂BLITZ 閉館 理由をめぐる文脈です。国内外の一流アーティストが名演を繰り広げてきた同館は、2020年9月をもって惜しまれつつその歴史に幕を下ろしました。TBSの公式発表によると、閉館の主たる理由は単なる老朽化ではなく、次世代を見据えた「スタジオ機能への転換」およびコンテンツ制作拠点への再構築でした。音楽ライブハウスという単発興行モデルから、長期滞在型のプレミアムな演劇IP、そして自社の放送・配信技術を集約する総合メディアクラスターへの戦略的ピボットが、この地で実行されたのです。