「赤肉を食べると寿命が縮む」「がんになる」といった過激な噂の出所は、WHO(世界保健機関)の外部組織であるIARC(国際がん研究機関)が公表したモノグラフにあります。
IARCの評価において、赤肉は「グループ2A(人に対しておそらく発がん性がある)」に分類されています。主に大腸がんとの関連性が指摘されたことによるものです。ただし、この発表には冷静な視点が欠かせません。IARCの分類は「発がん性の科学的証拠がどれだけ揃っているか」を示す強さのランクであり、「どれほど危険かというリスクの大きさ(毒性の強さ)」を直接意味するものではないからです。
国立がん研究センターなどの追跡調査によれば、日本人の平均的な赤肉摂取量は欧米諸国と比べて約半分から3分の1程度にとどまっています。極端に大量の赤肉を毎日食べ続けるような生活をしていない限り、一般的な日本人の食生活で過度に恐れる必要はありません。むしろ極端に肉を避けることによる低栄養のほうが、高齢期を中心とした健康リスクにつながります。