ネット上で出回る皮様嚢腫の手術画像には、切開された腫瘍の内部からドロッとした黄色い皮脂とともに、黒々とした頭髪の束や硬い歯、軟骨などが露わになっている生々しい様子が写し出されています。初めて目にした人が「胎児を取り込んだのではないか」「何か異常な奇病ではないか」と恐怖を覚えるのも無理はありません。
しかし、この病変は20代から30代の若年女性を中心に頻繁にみられる卵巣腫瘍全体の約20〜25%を占める極めて一般的な疾患です。体内に異物が入り込んだわけでも、双子の片割れを取り込んだわけでもなく、患者自身の生殖細胞が体内で形を変えて育った結果なのです。