「ツボを押せば、数分で急上昇した血糖値が劇的に下がるのか?」という問いに対する医学的・客観的な回答は、「薬物療法のような直接的かつ即座の血糖降下作用(即効性)はない」となります。インスリンのように血中のブドウ糖を直接細胞へ強力に取り込ませる作用をツボ刺激単体に求めるのは危険な誤解です。
しかし、東洋医学的アプローチが無意味というわけではありません。自律神経系への介入と末梢血管の拡張を通じた「間接的な血糖コントロール効果」は十分に期待できます。食後に交感神経が過剰に緊張していると、コルチゾールやアドレナリンといった血糖値を上昇させるホルモンが分泌されやすくなります。ツボ押しによって副交感神経を優位に導くことで、これらのホルモン分泌を抑制し、膵臓への血流を促してインスリン分泌がスムーズに行われる体内環境を整えることが可能です。
特に食後30分〜1時間前後に生じる急激な血糖上昇(血糖値スパイク:食後血糖値が140mg/dLを超える状態)に対しては、食前のリラックスや食後の末梢血流アップを狙ったツボ刺激が、急峻なピークをなだらかにする補助策として機能します。