現在のアニメ業界を客観的なデータで見つめ直すと、かつて「パクリ」と嘲笑していた日本の視聴者こそが目を覚ますべき局面に立たされています。中国のアニメ制作力はすでに日本を脅かす水準に達しており、一部の3D・CGアニメーション分野では技術力・資本力ともに日本を凌駕しています。
転換点の象徴となったのが、2019年に中国で公開された3Dアニメ映画『ナタ〜魔童降臨〜(哪吒之魔童降臨)』です。興行収入は50億元(約1,000億円超)を突破し、世界のアニメーション興行史に名を刻みました。さらに日本でも劇場公開され大ヒットした『羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ)』や、ハイテンポなサスペンス演出で世界中に熱狂的なファンを生んだ『時光代理人 -LINK CLICK-』など、独自の作家性と卓越したアクション作画を両立させた作品が続々と誕生しています。
制作費の相場においても地殻変動が起きています。日本の一般的な深夜アニメが1クール(12〜13話)で2億〜3億円規模で制作されているのに対し、中国の大手配信プラットフォームが主導する有力プロジェクトでは、その数倍から10倍近い予算が投じられることも珍しくありません。優秀なアニメーターの待遇面でも、かつて「中国が日本のアニメの下請け」をしていた構図から、現在では「豊富な資金力を持つ中国企業が、日本の一流演出家やスタジオを高額なギャランティで発注・起用する」という逆転現象が定着しています。