YouTubeの人気チャンネル『保育士1年目のトリセツ』などでも乳児向け七夕アイデアが多数紹介され、保育士間の情報共有は飛躍的に活発化しました。しかしその一方で、SNSの普及に伴う「映え」のプレッシャーに現場が苦しめられている実態も浮き彫りになっています。
取材に応じた都内の認可保育園で働く中堅保育士は、声を落としてこう打ち明けます。
「保護者連絡アプリで毎日の写真を共有する時代になり、他のクラスや他園の見栄えの良い作品と無意識に比較してしまう風潮があります。Instagramで見かけるような完璧に整った織姫と彦星の衣装製作を見ていると、つい『顔のパーツの位置を大人が修正したくなる衝動』に駆られます。しかし、それでは誰のための製作なのか分かりません」
この言葉が示す通り、ネット上の美麗な作品の多くは、実質的に保育士が大半を代行した「大人の作品」に過ぎないケースが少なくありません。これに対し、現在見直されているのが「子どもの痕跡をありのままに生かすデザイン」です。
例えば、七夕飾り壁面製作においては、完璧な星や笹の形を保育者が作って貼るのではなく、子どもたちが袋の上からペタペタと触って混色させた台紙をそのまま天の川の帯として壁一面に繋ぎ合わせる演出が好評を博しています。また、笹の葉に飾る手作り短冊アイデアでも、短冊の半分には赤ちゃんの小さな足形を押し、もう半分には保護者が「すくすく元気に育ちますように」「笑顔をたくさん見せてね」と直筆で願い事を書き込む合作スタイルが定着しています。子どもの身体のサイズそのものが、その年の「唯一無二の記録」として刻まれることにこそ、乳児製作の本質的な価値が存在します。