脇の下に違和感を覚えた際、最も警戒すべきなのが「筋肉のトラブル」と「腋窩リンパ節の異常」の混同です。腋窩には全身でも有数のリンパ節群が存在し、上半身の免疫関門として機能しています。自己判断で強いマッサージを行い、悪化させてしまうケースも少なくありません。
両者を見分ける最大の判断材料は、「しこりの性状」と「痛みの出方」です。筋肉由来の痛みは、特定の動作(腕を挙げる、胸を張る、深呼吸するなど)に伴って増減し、筋肉の走行に沿って縦長に張る感覚を覚えます。指で押すと「痛気持ちいい」と感じる圧痛点が存在するのが一般的です。
これに対し、リンパの腫れや病変によるしこりは、動作とは無関係にズキズキと痛む(自発痛)、あるいは全く痛まないまま小豆大〜ウズラ卵大の「明確な塊」として触知されます。触れた際にコリコリと皮膚の下で動くものもあれば、周囲と癒着して動かないものもあります。後者のように痛みがなく硬いしこりが数週間以上残る場合は、乳がんの腋窩リンパ節転移や悪性リンパ腫などの重大な疾患が潜んでいる可能性を否定できません。
「脇下の痛みは何科へ行くべきか」という疑問に対しては、まず症状の現れ方を指標にするのが鉄則です。肩や腕の動きに伴って痛みが生じているなら整形外科を、しこりや熱感、皮膚の赤みがあるなら内科または皮膚科を選びます。特に女性で脇の下にしこりや引きつれを感じる場合は、躊躇せず乳腺外科でエコー検査やマンモグラフィを受ける体制が推奨されます。