言葉が出ないのは病気のサイン?脳梗塞の前兆と度忘れの決定的違い

言葉が出ないのは病気のサイン?脳梗塞の前兆と度忘れの決定的違い

言葉が出ないのは病気のサイン?脳梗塞の前兆と度忘れの決定的違いに関する基本知識をわかりやすくまとめました。要点を確実におさえることができます。

数ある要因の中で最も警戒を要するのが、言葉が出ない脳梗塞前兆としての症状です。脳の主幹動脈や微小血管が血栓によって閉塞すると、神経細胞への酸素とブドウ糖の供給が即座に途絶し、数分単位で細胞の壊死が進行します。このとき、言語を司る領域が虚血に陥ると、何の予兆もなく急に言葉が出なくなる理由が完成してしまうのです。

特に見落とされやすく危険極まりないのが、一過性脳虚血発作(TIA)の症状です。一時的に血管に小さな血栓が詰まり、発語障害や手足のしびれが出現するものの、生体が持つ自然の溶解機構によって血栓が溶け、数分から長くても1時間以内に症状が完全に消えてしまう現象を指します。「治ったから大丈夫だろう」と放置してしまう方が後を絶ちませんが、日本脳卒中学会の臨床ガイドライン等でも示されている通り、TIAを発症した患者の約10〜15%が90日以内に本格的な脳梗塞を発症し、その半数は発症から48時間以内に集中しています。いわば「巨大地震の本震の前に鳴り響く緊急地震速報」に等しい警告なのです。

脳卒中の救急医療現場では、世界標準の評価指標として知られる「FAST(ファスト)」の確認が推奨されています。

  • F(Face / 顔):口角の片側が下がり、笑顔を作ろうとしても左右非対称になる。
  • A(Arm / 腕):両腕を前方に水平に上げたとき、片方の腕が自然と下がってしまう。
  • S(Speech / 言葉):ろれつが回らない、短い簡単な文章(例:「太郎が花子にリンゴをあげた」など)がスムーズに復唱できない、言葉が出ない。
  • T(Time / 時間):これらの兆候が1つでも見られたら、迷わず発症時刻を確認し、即座に119番通報(救急要請)を行う。

言葉がスムーズに出てこないのと同時に、片側の手足に力が入らない、視野の半分が欠ける、足元がふらついて真っ直ぐ歩けないといった合併症状が見られる場合は、1分1秒を争う脳血管障害の典型例です。自己判断で様子を見ることは極めて危険な賭けとなります。

渡辺 美咲
著者

渡辺 美咲

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。