脚力と同じくらい、あるいはそれ以上に100回の障壁となるのが「激しい呼吸苦(息切れ)」です。レベル8を超えて電子音の間隔が6秒を切ってくると、肺が焼け付くような感覚に襲われます。この限界状態を遅らせるために必須となるのが、正しいシャトルラン呼吸法です。
長距離走やマラソンの現場で広く支持されている基本リズムは、「スッ、スッ、ハッ、ハッ」と2回短く吸って2回鋭く吐く呼吸法です。しかし、シャトルランの後半で本当に意識すべきなのは「吸うこと」ではなく「息を完全に吐き切ること」にあります。
人間の肺は、呼気(二酸化炭素)をしっかり吐き出さなければ、新鮮な酸素を取り込むスペースが生まれません。息苦しくなると初心者はパニックを起こして浅く速い吸気ばかりを繰り返しますが、これでは肺の換気効率が著しく低下し、血中酸素濃度が下がってしまいます。「吸う」意識を捨て、「フッフッ!」と腹筋を凹ませて二酸化炭素を強制排気することだけに集中すると、反射によって自然と大量の酸素が気道へと流れ込んできます。
さらに上半身の使い方として、以下のポイントを遵守してください。
- 視線は常に正面(3〜4m前の床):上を向くと顎が上がって気道が狭くなり、下を向きすぎると猫背になって肺が圧迫されます。
- 肩の脱力とコンパクトな腕振り:後半に疲れてくると腕を大きく振り回しがちですが、無駄な上半身の筋力を使うだけです。肘を90度に曲げ、後ろに軽く引く意識だけでピッチ(歩頻)を刻みます。
- 足音を立てない忍者走法:体育館の床に「ドカドカ」と大きな足音を響かせている人は、着地衝撃を骨と筋肉でまともに食らっています。足の裏全体で静かに着地し、足音を消すように走ることで、膝や腰へのダメージを激減させられます。