インターネット上の掲示板やSNSでは、赤枠ナンバーに関して「警察の捜査用覆面車両である」「駐停車違反の取り締まりを逃れる裏ワザプレートである」といった根拠のない都市伝説が長年囁かれてきました。もちろんこれらは完全なデマであり、公的な業務車両に過ぎません。
しかし一方で、近年警察や運輸支局が警戒を強めているのがディーラーナンバーの不正使用です。包括的な走行許可という強大な権権を悪用し、法令違反を犯す悪質な事業者が後を絶たない実態があります。
代表的な違法運用の手口として問題視されているのが以下の行為です。
- 番号標の違法貸与(又貸し):許可基準を満たせない無許可のモグリ業者や知人に対して、金銭の授受を伴ってディーラーナンバーを貸し出す行為。
- 目的外の運行(私的利用):回送運行の目的(販売、整備、検査等)から逸脱し、社長や従業員が私用の買い物や通勤、私的なレジャーに車検切れ車両を乗り回す行為。
- 管理簿の改ざん・未記入:誰が、いつ、どの車両を、どのルートで回送したかを記録する「回送運行管理簿」を作成せず、無記録のまま走行させる行為。
これらはすべて道路運送車両法第101条に抵触する重大犯罪です。摘発された場合、1年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金という重い刑事罰が科されるだけでなく、回送運行許可の取り消し処分を受け、向こう数年間は再取得が一切許されなくなります。赤枠ナンバーは「何でも走れる魔法のプレート」ではなく、極めて重い遵法精神の上に成り立っている例外規定なのです。