公共交通機関の公式発表ダイヤは、乗り換えが滞りなく進んだ場合の理想的な計算に基づいています。しかし、現地取材やSNS・コミュニティ上の投稿を分析すると、数字には現れない過酷な現実が浮き彫りになります。
「成田空港第1ターミナル駅から京成スカイライナーに乗車し、日暮里駅までは時速160kmの圧倒的なスピードで快適だった。だが日暮里駅乗り換えでJR山手線ホームへ降りた瞬間、平日夕方の通勤ラッシュに巻き込まれ、25kgのスーツケースを抱えて身動きが取れなくなった」といった声は後を絶ちません。日暮里駅は乗り換え専用改札が整備されており構造自体は平易ですが、そこから接続するJR山手線経由の車両は一般的な通勤電車です。大きな手荷物を持つ旅行者にとって、混雑した通勤電車内で約30分間立ち続ける体験は、所要時間の短縮分を帳消しにするほどのストレスとなります。
一方、JRの成田エクスプレス直通を選択した場合、チケット購入時に成田エクスプレス指定席料金が発生するものの、乗車から降車まで席を立つ必要がありません。車内デッキにはダイヤル式ワイヤーロック付きの大型荷物置き場が完備されており、座席にはPC作業用の大型テーブルやコンセントが備わっています。
さらに渋谷駅側の構造変化も重要です。渋谷駅の大規模改良工事に伴い、埼京線・湘南新宿ラインおよび成田エクスプレスのホームは山手線ホームと並列化され、以前のような「南側の離れ小島」状態は解消されました。加えて再開発施設と直結する渋谷駅新南改札の整備などによって、桜丘エリアや渋谷ストリーム方面へのアクセスは飛躍的に向上しています。目的地のホテルやオフィスが駅の南東部にある場合、成田エクスプレス直通の利便性は他を圧倒します。