インテリアの現場取材でプロが口を揃えるのが、「間取り図の畳数表示だけを見てベッドを購入するユーザーの多さ」です。ここには、一般にはあまり知られていない重大な盲点が存在します。
不動産の間取り図に記載されている畳数は、壁の中心線から計測する「壁芯計算(へきしん)」が一般的です。しかし、実際に家具を置ける室内空間は、壁の内側を測る「内法寸法(うちのり)」となります。壁の厚み(石膏ボードや下地材で約10〜15cm)があるため、図面上では幅260cmと計算できても、実際の部屋の幅は245〜250cm程度しかないケースが日常茶飯事です。
さらに、鉄筋コンクリート造(RC造)のマンション特有の「梁(はり)」や「柱(アウトポール化されていない柱の出っ張り)」、配管スペース(PS)の存在も見落とされがちです。部屋の四隅に数十センチ四方の柱が張り出していると、本来ベッドをピッタリ寄せたい壁面に隙間が生まれ、動線が数十センチ単位で圧迫されます。
また、ネット上でインフルエンサーが発信する「6畳にツインベッドを置いてもこんなに広々!」というルームツアー動画には注意が必要です。それらの多くは、クローゼットが部屋の外にある間取りであったり、京間基準の広い6畳、あるいはワイドスパンの特殊な長方形間取りである場合がほとんどです。自宅の間取りの「ドアの開き向き(内開きドアがベッドに当たらないか)」「窓の位置(ヘッド側が窓にかかり結露や冷気に晒されないか)」「エアコンの風が直接顔に当たらないか」という3大要素を現地でメジャーを使って確認しない限り、安易な模倣は禁物です。