ネット上の口コミやSNSの投稿には、ポジティブな感想ばかりが目立ちますが、現場取材を進めると日本人旅行者が陥りがちな「手痛い罠」がいくつも浮かび上がってきます。最大の盲点であり、毎年無数の帰国者が後悔の声を漏らすのがセブ島お土産空港での調達リスクです。
マクタン・セブ国際空港(MCIA)は第2ターミナルの美しい木造建築で国際的な評価を得ていますが、出国審査後の制限エリア内にある売店の価格設定は完全にインフレ状態にあります。市内のスーパーで100ペソ程度で販売されているドライマンゴーが、空港内の売店では平然と300〜350ペソ(約3倍)で値付けされています。「余ったペソを空港で使い切ればいい」と考えて市内で買い控えた結果、想定の数倍の出費を強いられるケースが頻発しています。空港での購入は、買い忘れの最終緊急避難措置と割り切り、全調達量の9割以上は市街地滞在中に完了させておくべきです。
また、コスメや食品の「航空輸送トラブル」も後を絶ちません。代表例がココナッツオイルの物性変化です。常夏のマクタン島では完全な透明の液体ですが、日本の気温が24度を下回ると真っ白に固化します。この性質を知らず「液体物持ち込み制限」に引っかかり、手荷物検査場で100mlを超えるボトルを保安検査官に没収される旅行者が後を絶ちません。液体調味料やオイル類は必ず厳重にビニール袋でパッキングした上で、受託手荷物(スーツケース)へ預け入れなければなりません。
さらに、ネット上で「激ウマばらまきスナック」と過剰に持ち上げられているローカル菓子の中には、日本人特有の繊細な味覚には甘すぎる菓子パン系スナックや、保存料特有の香りが強い製品も散見されます。現地の嗜好と日本の贈答文化における「美味しい」の基準には少なからずギャップがあります。大容量パックを衝動買いする前に、まずは自分用に1個購入してホテルで試食してみる慎重さが、周囲への評判を守る防波堤となります。