「小指を骨折してもギプスは巻けないし、病院に行っても湿布が出るだけだから行く意味がない」という言説をインターネット上で目にすることがあります。しかし、整形外科の専門医はこの風潮に強い警鐘を鳴らしています。骨折を打撲と思い込んで放置すると、骨がずれた状態で癒合する「変形治癒」を起こし、生涯にわたって靴を履くたびに痛む後遺症を残すリスクがあるからです。
打撲と骨折を自己判断で見極めることは困難ですが、臨床的に骨折を強く示唆する徴候はいくつか存在します。以下のチェックポイントを確認してください。
最も明確な指標となるのが、痛みの局在性と腫脹の広がりです。足の小指の骨折の見分け方において、骨折部位を指先でピンポイントに押した際に飛び上がるような激痛(限局性圧痛)があるかどうかが極めて重要です。また、骨折を起こしていると、受傷後数時間から翌日にかけて足の小指をぶつけた部位が腫れて紫色に変色する皮下出血斑が広範囲に出現します。爪の下に血豆ができたり、小指全体がソーセージのようにパンパンに腫れ上がる場合、毛細血管だけでなく骨膜や骨組織からの出血が起きている証拠です。
さらに、小指の先端を根元に向かって軽く押し込むように力を加えた際、骨折部に響くような痛み(軸圧痛)が走る場合も骨折が強く疑われます。足の小指のヒビが治るまでの期間は、成人の場合でおおむね3週間から6週間を要します。受傷初期の1〜2週間に適切な固定を行わなければ骨癒合が遅れ、偽関節と呼ばれる骨がつながらない状態に陥る危険性があります。