SNSや動画配信サイトでは「自力で鼻を高くするマッサージ」「ノーズクリップを挟むだけで鼻筋が通る」といった情報が数多く流通しています。しかし、人体の解剖学的構造に照らし合わせると、これらの信憑性には強い疑問符がつきます。
鼻の構造は、上部3分の1を構成する硬い「鼻骨」と、下部3分の2を支える弾力性のある「軟骨(鼻翼軟骨・外側鼻軟骨・鼻中隔軟骨)」で成り立っています。成人を迎えた骨や軟骨は、外部からの一時的な圧力によって恒久的に伸長・肥大することはありません。骨の形状や鼻の高さに対する遺伝の影響度はおよそ70〜80%と極めて高く、骨格の基本設計はDNAの段階でほぼ決定づけられています。
強い力でマッサージを続けたり、長時間の器具装着を行ったりした場合、鼻が高くなるどころか深刻なトラブルを招く危険があります。皮膚への過度な摩擦はメラニン色素の沈着を招き、鼻の黒ずみや毛穴の開きを引き起こします。さらに強い圧迫は軟骨組織の血流を阻害し、軟骨の変形や炎症による組織の線維化(硬化)をもたらす恐れがあります。自力で物理的に高さを変えようとする試みは、医学的な観点からは推奨できません。