結婚式のお車代封筒は、どれも同じ白封筒や祝儀袋で代用できるわけではありません。「中身の金額」と「外袋の豪華さ」のバランスが崩れていると、受け取ったゲストに不自然な印象を与えてしまいます。基本となる基準は、「1万円」と「2万円」の境界線にあります。
まず、遠方友人への一部補助や受付・余興の御礼を兼ねた数千円から1万円未満のケースでは、大仰な祝儀袋ではなくポチ袋(小さめの祝儀袋)を用いるのがスマートです。過度に立派な帯付きの袋を使用すると、中身を取り出した際に「袋負け」してしまい、かえって相手に気まずい思いを抱かせる要因になります。
一方で、1万円から2万円程度を包む場合は、熨斗(のし)と水引が印刷されたスリムな略式祝儀袋(印刷のし袋)が標準的な選択肢となります。さらに、主賓への謝礼や遠方からの航空券代を満額負担するなど、2万円〜3万円以上の高額を包む局面では、本物の水引が掛けられた格式の高い本結びの祝儀袋を用意しなければなりません。
ここで最も注意を払うべきは、「水引の結び方」です。結婚祝いやお車代など、婚礼に関わる金封では「結び切り」または「あわじ結び」のみが許容されます。これは「二度とほどけない=生涯に一度きりであってほしい」という願いを込めた意匠です。出産や昇進などの一般的なお祝い事で多用される「蝶結び(花結び)」は、「何度あっても喜ばしい」という意味を持つため、婚礼の場に持ち込むことはタブーとされています。