「本体のプラスチックケースが割れて隙間が空いてきた」「平らな机に置くとバッテリーがコマのように回転する」といった現象は、内部のラミネートセルに可燃性ガスが充満している明白な証拠です。この状態のモバイルバッテリー膨張処分には細心の注意が求められます。
絶対にやってはならないのが、一般ゴミや不燃ゴミとして指定袋に放り込む行為です。収集車のごみ圧縮機に巻き込まれたり、処理施設の破砕機にかけられたりした瞬間にセルが圧縮破壊され、作業員を巻き込む甚大な火災事故を引き起こします。また、膨らんだバッテリーは家電量販店やホームセンターに置かれている「JBRCリサイクル協力店」の黄色い回収缶でも、安全確保の観点から投入を断られるケースがほとんどです。外装が変形している場合は、自己判断で処分しようとせず、必ず各自治体の危険物収集窓口に相談するか、製品の製造メーカーに回収方法を問い合わせてください。
さらに、出張や旅行で搭乗する際の飛行機機内持ち込み規制も一段と厳格化されています。国際民間航空機関(ICAO)および国土交通省の取り決めにより、リチウムイオン電池を内蔵したモバイルバッテリーをスーツケース等の受託手荷物(預け入れ荷物)に入れることは航空法で固く禁止されています。預け荷物の中で発火した場合、貨物室では初期消火が間に合わず航空機全体の遭難につながるためです。持ち込み可能な定格容量(一般的に100Wh〜160Wh以下、個数制限あり)を厳守したうえで、必ず目視で状態を確認できる手荷物として機内へ持ち運ぶ必要があります。