生首を狩られ、肉体をパペットにされたカイトが、なぜ生きて再登場を果たしたのか。その奇跡の舞台は、皮肉にも彼を死へ追いやったキメラ=アントの巣にありました。王(メルエム)を出産した直後、瀕死の状態に陥ったキメラ=アントの女王。その体内を調査したモラウとコルトによって、子宮に残されていた掌大の未熟児が発見されます。
コルトの献身的な介護により急速に成長したその子供は、外見こそ茶色い肌に赤髪、そして尻尾を生やした小さな人間の女の子でした。当初コルトから「レイナ」と名付けられ育てられていたものの、自我が芽生えるとともに放った第一声は「あたいの名はカイト!」という前世の宣言でした。この瞬間、カイトの転生が確定的な事実となったのです。
では、なぜ少女の姿だったのでしょうか。キメラ=アントの生態である「摂食交配」では、女王が捕食した無数の人間や生物の遺伝子が混ざり合って次の世代へと引き継がれます。女王が死亡直前に捕食していた人間の中に赤髪の少女が含まれており、その肉体的な遺伝情報をベースとして胎児が形成されていたと考えられます。さらに、カイトの並外れた精神力と後述する念能力の特殊効果が働き、肉体の器としてその胎児に前世の記憶と人格がそのまま宿ったというのが真相です。